いやあ、今回の広島帰省は短かった。わずか2泊。間の一日の大半は古文書解読同好会に使った。明日はもう益田に戻らなければならない。ゆっくりする暇がなかった。
同好会ではふだんになく人と話が出来たのが良かった。会が始まる前に、同人誌昭和・平成・令和第5号を受け取った。同好会に通う不思議な先輩がやっておられる同人誌だ。どういう経緯で私も投稿するようになったのかよく思い出せない。今の時代に手作りの同人誌とは変わっているなと思っていたが、実際に作ってもらうとやけにうれしい。投稿が楽しみになり、出来上がりがとてもうれしい。
会の最初に諸富さんが前に出て、自分の出された本を説明しておられた。いい本を作られた。今日申し込めば本日限り1000円だということだった。Youtubeネタにぜひ使わせてもらおう。
今日の読み範囲のところは、広島藩の家老が人事改革を上申してそれがうまくゆかず、しかも日記を書いている彦右衛門自身も状況をよく理解できないままに記述しているようだ。解説してくださる先生は関心のある事件だったらしく説明が凝っているが、あまり詳しくない私は状況をなんとか理解しようと焦るのだが、やはり難しいと感じた。
いつもの平穏な日記、例時に出勤し、弓術に出て、馬場に出て、問安に行って酒が出たというような日常であれば、気持ちよく読めるのに、いざ事件がおきると状況が複雑になってくる。理解に時間を取ってしまう。大変だ。
くたびれて、終わって、さて帰ろうと思ったら、自転車のカギが見えない。ズボンの左ポケットに入れたはずなのにない。カバンの中から今日の荷物を取り出してベンチの上に並べてみたが見つからない。
情報プラザの管理室にいって落とし物の届はないか聞いてみる。ないという。県立図書館が開館しているので、そこのカウンターでも聞いてみた。みっともない。失せ物を尋ねる高齢者は多いのだろうなあ。自転車を置いて帰っても、明日は広島を立たなければならないから受取りにこれない。といっても、鍵がないことに変わらないから今、なんとかしなきゃあ。
次第に夕刻になってくる。判断せよ。いやいや、あきらめずに探してみよう。同好会のあった部屋の鍵を借りて行ってみようか。自転車置き場から会場までの通路を歩いてみた。
警備の人らしき人に聞いてみた。「ああそれなら、あれかもしれない」その言葉うれしかった。玄関ホールまで案内してくれて、掲示板のしたに小さな青い鍵が置いてあるが、それではないかと言ってくださる。あったあった。誰か床に落ちているのを見つけて、目立つところにおいてくれたのだろう。ありがたい。
みっともない年寄りをしてしまった。最近こういう状況の失せ物が少なくない。気を付けているつもりでも時々ある。私の母も物が亡くなったとよく言っている。似ているなんてのんきなことは言っておれない。