7月23日 この家の主は91歳のお母さんだ。家の中のことは彼女が思い通りにしている。私が家具や道具の置き場所を変更しても、いつの間にか戻している。私が自由になるのは玄関脇の使用人部屋だけ。
青い海、湿気の少ない風、横に長く連なった入道雲。梅雨明け・夏休みはじまりを感じさせる今日の天気だった。
いまだに図書館の夢を見る。年代は下っ端時代もの。集書係で物品請求命令書の内訳書を書いたり、図友会の旅行に行って集合時間に遅れたり等など。目が覚めても覚えているものだから、しまつが悪い。楽しい場面ではない。40年前のことだよ。図書館という職場に戻ることは絶対にないのに、なしてそんな夢を見て、冷や汗かいて目を覚ますのだろうか。
古文書解読同好会で分不相応な頼まれごとを引き受けてしまったので、ここ数日それにかかわっている。人事というのはちょっと無理なことを引き受けるぐらいがいいとわかっているが、それにしても大変だ。
今日は関連する資料を和綴じ製本してみた。手製の木箱に紙を入れて、板で押さえつけて、端に6つの穴をあける。穴あけは電動ドリルなので難しくはないが、それでもその作業自体は戸外に出て、軒下でやる。暑いし、作業台があるわけではなので手元が安定しない。こんな時は工房が欲しいなあとつくづく思う。
今日は和綴じを5冊ほどしあげた。なかなかいいね。手慣れてきた。表紙は筆ペンで黒々書き上げる。
家のリフォームは無事終わって快適に過ごしているので、私の工房のために、第二次リフォームの図面をそろそろ引いてみたい。しかし、この家の主は91歳のお母さんである。家の中のことは彼女が思い通りにしている。私が家具や道具の置き場所を変更しても、いつの間にか戻っている。私が自由になるのは6畳一間の使用人部屋だけ。
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