7月28日 家のリフォームは母の落胆を大きくしてしまったかも
4年前の夏、益田で一人暮らしをしていた母は、裏山の畑に上がってずっと草取りをしていたらしい。それで熱中症のような症状を出してしまい、救急車で運ばれた。
それではひとり住まいはできまいというので、私は決心。一緒に住むことにした。よう決意したと思う。
一緒に住むとはいっても、私は母に対する遠慮があった。私の荷物は母屋の端の部屋に入れた。知らない人がみれば使用人部屋のような小さな部屋。洋服タンスもべりべり隅っこがはがれたような粗末なものをあてがったもらった。洗面台に歯ブラシを置かずに客人のように自分の部屋にある化粧ポーチに歯ブラシと練りチューブを入れた。風呂で使うバスタオルも私は一切手を触れなかった。
食事は私がほとんど作った。仲良く食卓というわけにいかなかった。私はイライラするように母の行動をとがめた。食後にお茶を口の中でくちゅくちゅしてゴクンと飲まれるのはどうしてもいやだった。私の活舌が悪いのだろう、なんども「はあぁあ」と大きな声で二度聞きされるのはいやでいやでならなかった。
親を指導しちゃあいけんのだろうけど、お口の中でくちゅくちゅ、ごっくんはどうしてもがまんできず、なんども説得してやめてもらった。失礼な息子だ。
半年もしないうちに家のリフォームにとりかかった。食堂の床がペコペコしているのを直したのが手始めだった。くみ取り便所なのがいやでしょうがないというので、大幅にリフォームすることにした。合併浄化槽を入れて、トイレ、台所、お風呂を改装することにした。
91歳の母とはそんなに長くは一緒に住めないだろうとは思ったが、家になんも貢献したことがなかったので、お金と手間をかけることはそれほどのためらいはなかった。
御屋敷のような大きくて、窓が3つもあるようなトイレができた。食堂を広くしたが、間取りは気に入ってもらえなくて、狭いままに使うことになってしまった。
風呂は浴槽を大きくして気持ちのよい風呂になった。私のほうが満足している。
改装が終わっても、コロナ感染症流行が収まらなくて、私の妹たちに披露することが遅れてしまった。
母を高齢者向け住宅に連れていくだんになって、私にではなく私の家内につぶやいたという。「行きたくない、止めることはできないだろうか」と。私に言わずに、なして。
家のリフォームをしたものだから、母は私が一緒にずっと暮らしてくれるんだろうと思って、うれしく思っていたんだって。そんな誤解をさせてしまったのか。
高齢者向け住宅に入居などというむごい選択をしてしまって、落胆の度合いを大きなものにしてしまったのだろうか。わあ、ここんところ、残念に思う。
高齢者向け住宅で気分取り直して幸せになってくれることを切に願う。もう益田の家には一時的であっても帰ることはないだろうに、とても残念に思っているに違いない。
あっさり家を片付けて、帰る家がない状況にしてしまうほうがいいのか。
入居して半月を越えようとしている。いまだに電話設置ができていない。なしてこんなに時間がかかってしまうのか。残念で残念でならない。どんなに不安な思いを続けていることだろうか。
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