8月1日 お母さんが作ってくれる蝉取り網が待てないときは、簡単な道具を自分で作った。針金で輪を作って、輪の根元を竹竿に縛る。輪の部分にクモの巣をぐるぐる巻きにするのだ。蝉を袋で取るというよりは、クモの糸でからめとるものだ。少々乱暴だ。この製法は祖父に教えてもらったような気がする。
以前にも書いたが、お母さんの作ってくれる蝉取り網は抜群だった。網の口は広いし、袋も十分深い。近所の佐々木屋商店で売っているものよりせみをうまくとることができた。
お母さんは忙しいのですぐに作ってくれないことがあった。夏になると蝉はしゃあしゃあと鳴き始める。そんなときに自分で作れる蝉取り網があった。針金で輪を作って、輪の根元を竹竿に縛る。輪の部分にクモの巣をぐるぐる巻きにするのだ。蝉を袋で取るというよりは、クモの糸でからめとるものだ。少々乱暴だ。捕まえた蝉を傷つけることもある。
この製法は祖父に教えてもらったような気がする。一度教えてもらえれば、自分でなんとか作れるので、毎年頼む必要はない。お母さんが蝉取り網を作ってくれるまでのつなぎだった。
木綿の白い布で作るので、振り回すには少し空気抵抗があった。そのために空中を飛んでいるトンボをとるにはちょっと不向きであった。家のまわりを周回するオニヤンマをその網で取りたいと強く思ったけど、難しかった。もっとも、オニヤンマは家の中に入り込んで、家の中を睥睨してまわるので、明かり障子のところでぶつかっていることが時々ある。それなら簡単に捕まえることができる。
クマゼミはその網でたくさん捕ることができたが、ミンミンゼミは数が少ないので、ひと夏に1匹か2匹ぐらいしか手に入らなかった。クマゼミと同じくらいの大きさなので、捕ることができたときは嬉しかった。
ヒグラシやツクツクホウシはちょっとサイズが小さいので価値は下がった。とくにニイニイゼミはいちばん小さいし、幼児でも簡単に捕まえることができたので、もっと価値は低かった。
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