8月20日 おかあさんがナスのからし漬けを大量に作ってくれた。食べてみると、かすかに覚えている昔の味がした。いいじゃないの。でも作り終えたのなら言って欲しかった。
お母さんは料理が得意だった。というかいろんなものを作ってもらった記憶がある。強烈なものは、子供が嫌いなものは大量につくってくれるのである。例えばフキの煮物。子どもにはあの匂いはおいしく感じられないものだ。嫌いだと言えば、何日も何日も徹底的に作ってくれた。
今91歳。ほとんど料理をしない。まあ、そのために私がここにいるようなものなのだが。そんなお母さんにも何かの拍子にスイッチがはいる。今でも寿司は喜んで作ってくれる。きちんと作るのかと思いきや、ほとんどすし太郎である。夏みかんの砂糖漬けも大量に作った。すぐに全部すてちゃったけど。お母さんは気性が激しい。
今日庭で作っていたナスをひと抱え収穫してきてくれた。お母さんは自分で料理しないものを大量に持ち込んでくれるので困る。買い物にいったときなど、大袋ものを買っては冷蔵庫に放り込んでくれる。何を買ったと私の告げたりしない。もう、困る。これでは嫁姑問題が起こるはずだ。
今日は機嫌よく、ナスのからし漬けを作ってくださいとお願いしたら、こころよくやる気になってくれたようだ。ほんとは作り方を教えてほしいのだが、一緒に作りましょうと言ってもいやがってしまう。
ときおり台所をのぞいてみると、大量に調理している。昔みたいな大家族じゃあないんじゃけえと言っても聞いてもらえない。作ったものを一応タッパーにいれておいてくれた。私には何も伝言がない。
今日の夕飯にはそれを出さなかった。私が作ったキャベツサラダとキュウリの浅漬けと塩サバを焼いたのがおかずだった。それではあんまりだと思い、食後に冷蔵庫から取り出して、もう食べることができるの?と聞いて、数切れ皿に入れてみた。
うん、かすかに覚えている昔の味がした。いいじゃない。できたのなら、できたといっといてえやあ。
コメント