9月19日 この頃母によく告げる言葉は「暗くならないうちに早く帰ってきてください」まるで子供にかける言葉だ。
暗くならないうちに早く帰ってきてください」と何度も告げる。まるで小さな子供にかける言葉だ。最近夕方が少し涼しくなったものだから、母はさっと着替えて手元が見えなくなるまで庭の草取りをしている。困ったもんだ。6時半になっても、7時になっても帰ってこない。夕飯の支度が出来てもなかなか帰ってこない。
昔職場にいました。17時になると元気になって仕事を始める奴が。勤務時間中にちゃんと仕事をしておれば定時に帰れるのに困った奴だ。お母さんの夕方はりきりはそれとは違うかもしれないけど。
手を引っ張って連れ帰るわけにもゆかず、そのセリフは私が子供のころ、母から何度も言われていたセリフにちがいない。いまごろ仕返しされているようなもんだ。
庭の草はどんなに取っ手も取りつくすことはできない。時間がたてばそれまで以上に復活する。それでも取りたいんだろうなあ。ええ加減のところであきらめてくれればいいのに。
この数日様子がちょっと違う。家に帰ってくる時刻が遅いのは草取りではなく、玄関前の椅子にぼやぁと座っているらしい。夕方の風が心地よいという。そうだろう。コオロギもよく鳴いている。もうすぐ月が上がってくるのを見れる暦になるだろう。
私が懸命に夕飯の支度をしているというのに、92歳の母は、ぼーっと夕涼み。いい加減にしてほしいが、これも私が幼少期にそれをやっていたことの仕返しのようなもんだ。しかたない。あまり小言にならないようにしたい。だけどたっぷり告げておく。「暗くならないうちに帰ってきてください」と。
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