1月13日 ショートステイから帰ってきて、家の食事でごはんではなく昼も夜もパンがいいと言い出した。
スカッと晴れた朝に家内は9時32分のバスに乗って広島に帰っていった。単身赴任介護先に来てくれて、わずか2泊して帰った。バス停で見送ったあと、家に帰ってきて縁側から外を見た。風はあるけど、いい天気だ。なして私をひとりおいて帰っちゃったの。私は自分が6歳くらいの男の子になったような気分を味わっていた。私はひとり残されて、またしばらく、この他人の家で気難しいばあやの食事を淡々と用意する日々を想像し、つらいなあと思い込む姿を想像してみた。私の若いきれいなお母さんは赤い服をきて、さっそうと都会に行く広電バスに乗って広島に帰っていった。今夜からまた布団は大広間にひとつ敷いてねることなる。この二日間はふとんを並べてしいてくれ、食事もふたりで作ったのに、またそうでない日が始まる。おっ、いつか小説のネタになりそうな気がしてきた。
母は今日93歳の誕生日。朝食の時、気恥ずかしそうにおめでとうと言ってみた。微妙な顔をしておられた。ショートステイから帰ってきた直後で、まだ機嫌が直っていないような気がする。
しかし、夕飯の時に質問してみると、私の妹たちからは電話があったらしい。「みな」からかかってきたと母は嬉しそうに言っていた。そうなんよ、母は私の妹たちにはなにか愛想がいいのだ。介護はやはり長男よりは娘のほうがいいのだろう。私に対してはむすっとしているような印象が強い。
ショートステイから帰ってきて、家の食事ではごはんはいらない、朝も昼も夜もパンがいいと言い出した。ごはんは食べたくないとまで言い出した。強く言っていた。いったい何があったのだろう。
食事を用意する私に気遣いの言葉はまったくない。いったいどうしたというのだ。食事を用意するものに対して、なにか言葉をくださいな。はあ。
この築70年の木造家でまたしばらく母と二人暮らしになる。母の言動を気難しいように感じる。何が機嫌悪いのかよくわからない。妹たちに対しては機嫌よく電話をしている。私はようわからん。どうすりゃあいいんね。
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