6月7日 私が小学生のころ、彼からラジオペンチ、ニッパー、はんだごてをプレゼントしてもらった。そのラジオペンチ、ニッパーは今も使っている。
訃報が入った。調子がなくないことは事前に聞いていたので、驚いたというよりは、こんなに早くかと思った次第である。
私が小学生のころ、その人からラジオペンチ、ニッパー、はんだごてをプレゼントしてもらった。はんだごてはさすがに退役したが、ラジオペンチ、ニッパーは今も大事に使っている。
その道具のおかげで私は電子工作、ラジオ工作、科学に関心を覚えた。貧しかった家の中で、ちょっとお金のかかる趣味に時間をかけるお墨付きがでたようなものである。
かっこよくてあこがれの人でもあった。クルマを改造して車内でステレオを聞いたりカラオケができるようにしたり。今では普通の技術であるが、音声でナビを指示できるようにしたり、ああ、こんな人になりたいと思ったものである。
娘さんの結婚式に出かけたときは楽しかった。式の前日その人の家に泊めたもらった。家から富士山が見えるのだ。世界一の風景が家から見えるなんて最高だ。
はかないなあ。葬式というのは待ったなし。どんな予定を入れていても、全部キャンセルして駆けつけることになる。それが人の世というものだ。さあ、新幹線に乗って行ってこよう。